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水石の愉しみ方(四) 遠山石

  • 水石の愉しみ方
  • 2016年11月24日
  • 読了時間: 2分

主峰と副峰の調和が取れている

 水石を代表する遠山石は山水景石において基本的な形状であり、遠い山容を連想させるもので、水石界ではしばしば「遠山に始まり、遠山に終わる」と、言われます。

 遠山石は初心者の方にもわかりやすく、水石趣味に入りやすいものです。そして、次には溜りや島形なども欲しくなり、さらに趣味が昴じてくると、また遠山石に戻ってゆく、ちょうど盆栽界でいう「松に始まり、松に終わる」と同じで、遠山石は水石を代表する形姿と言えるでしょう。

 遠山石の形を理解するには、実景から入るのがもっともわかりやすくものです。

 旅先の列車の車窓を通して望見される連山、湖沼を抱き、雪をいただく高峰などの日本人の心に刻まれている山景が必ずあるはずで、これに自己の審美眼、詩的創造力をはたらかせて理想の景色を一盆上に現出することこそ水石趣味の醍醐味と言えます。

主峰に雪がかかる景

 遠山石はその峰の形態でいくつかの分類がされます。単峰・双峰・連峰と言われるものです、一般に主峰が中央に位置するものは少なく、左右どちらかによることで景色の雄大さや変化を感じられます。また、細かい部分では滝や湖などの景色を思わせる部分があればより理想的となります。

 写真にあるように、遠山石の名品と言われるものの多くは緩やかな稜線に主峰と副峰のバランス、山裾の豊かな張りだしなどの全体の調和のとれた山水景の石になります。

簡略化された形の中にも山水景を見ることができます

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